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※このページは常にトップにくるように固定してあります※2022/1/4更新ご訪問ありがとうございます。当サイトは私、ホタテが気ままに書いたものばかりを載せている小説ブログとなります。近年は文学フリマを中心とした即売会に出店したり、BOOTHを利用しての通販を行ったりしています。また、私生活多忙につき、ブログの更新にあまり時間が割けなくなっており、簡単に投稿できるカクヨムや小説家になろうなどの投稿サイトをメインに...
※このページは常にトップにくるように固定してあります※
2022/1/4更新

ご訪問ありがとうございます。
当サイトは私、ホタテが気ままに書いたものばかりを載せている小説ブログとなります。

近年は文学フリマを中心とした即売会に出店したり、BOOTHを利用しての通販を行ったりしています。

また、私生活多忙につき、ブログの更新にあまり時間が割けなくなっており、簡単に投稿できるカクヨムや小説家になろうなどの投稿サイトをメインに切り替えています。

ブログに掲載していた小説も加筆修正を加えた上で徐々に移行していっていますので、変わらず読みに来ていただけると嬉しいです。



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イベント出展のお知らせ



2023年文学フリマ京都7に出展します。

【新刊】
「ひとりではとどかない」/Nicola著/小説・文庫/800円
「紫陽花堂文房具通信vol.3」/ホタテ著/小説・新書/300円

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★詳細はサークル「海鮮丼」Twitterにて
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主な活動場所



このブログ以外の小説置き場です。
ブログと同じものを掲載していたり、ブログで掲載していたものを再編したり、イベントにしか出していない作品もあります。

カクヨム
 黒猫(水曜更新)、アナログ放送(不定期)、魔法少女(笑)(不定期)、紫陽花堂(木曜更新)
小説家になろう
 魔女に幸福を(不定期)、リンの平穏なお仕事(不定期)


紫陽花堂学園前店
 文房具紹介をするだけのブログです。


■サークル「海鮮丼」→Twitter@Kaisendon_ssmn
 Nicolaさんと二人で創作ユニットを組んでおります。

 主に文学フリマに参加。
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ブログにて更新中作品



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BL要素がありそうなものは
その他は「ReadMore」に追記しております。
更新速度はほぼ不定期です。
中には、別サイトでは更新されているのに、こちらでは更新されていないものもあります。

そうじ屋の愉快なお仕事 →カクヨムに移行予定。
黒猫は今日も偽物を喰らう →カクヨムにも掲載。

リンの平穏なお仕事 →小説家になろうにて再編成中。
人魚シリーズRead More
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Theme : 目次 * Genre : 小説・文学 * Category : TOP
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初めまして。 * by 赤鈴(アカスズ)
初めまして。

私もブログ、Pixiv、ブクログにてオリジナル小説、エッセイを書いております。
小説のジャンルは主にホラー系が多いかな。

Pixivの"オリジナル小説コンテスト"では次点という賞をいただいたこともあります。

昔は小説だけじゃなく、詩とかも書いてたりしてたんですが、今は詩の方は書いてませんね。

ちなみに、私もTwitterやってます。
後でフォローさせていただきますね!

また遊びに来させていただきたいと思います。

ありがとうございます。 * by ホタテ
>赤鈴さん

はじめまして。
お返事遅くなり申し訳ございません。

コメント、Twitterのフォロー共に感謝しております。

そうじ屋の愉快なお仕事 help4

help4 「絶っっっ対に駄目」 ミリアルの所へ行き、目的を話すと間髪を容れずに断られた。 その表情はとても険しい。 いつものミリアルじゃないみたいだ。「僕の立場を利用して、オークションの会場へ潜り込みたい? 絶対にそんなことは許しません」「え一、何で? いいじゃん! ミリアル、いつも駄目って言わないのに!」「いくらソフィアちゃんのお願いでも駄目なものは駄目」 今日はいつになく頑なだ。 困ったなあ。「―...
help4

 「絶っっっ対に駄目」
 ミリアルの所へ行き、目的を話すと間髪を容れずに断られた。
 その表情はとても険しい。
 いつものミリアルじゃないみたいだ。
「僕の立場を利用して、オークションの会場へ潜り込みたい? 絶対にそんなことは許しません」
「え一、何で? いいじゃん! ミリアル、いつも駄目って言わないのに!」
「いくらソフィアちゃんのお願いでも駄目なものは駄目」
 今日はいつになく頑なだ。
 困ったなあ。
「――ソフィア、あんた、自分が何を言っているのかわかっているの?」
 我らが情報、イオンがものすごい形相であたしをにらんでいた。
 用事があったらしく、イオンはたまたまミリアルの所にいた。
「おねーさんたちの手伝いをしたいんだよぅ」
「お黙りなさい! リン様に……リン様にそんな格好をさせて、許されるとでも思っているわけ⁉︎」
「あー……」
 あたしはメロディーおねーさんの背後に隠れている先輩を振り返った。
「どう? 可愛いでしょう?」
「そんなことを聞いているんじゃない! 可愛いのはわかっているわよ!」
 怒られた。
 今の状況を説明するね。
 おねーさんたちがミリアルの何を利用したいかって、とある会場に潜り込むための切符を手に入れることだった。
 その会場というのが、ミリアルが先程言った、闇オークション。
 前回、落札されずに終わってしまった例の王冠をホワイトはまた、出品しようとしているそうだ。
 闇オークションへの招待状は、限られた人にしか来ない。
手に入れようと思っても、それなりの地位が必要だ。
 だけど……ミリアルなら簡単に手に入れられるはず。
 そういうわけである。
 ……で、もし会場に潜入できたとして、王冠が本物かどうか見分けられるのは、アリエルしかいない。
 怪盗たちを恐れて、ホワイトが偽物を出してきてもおかしくはないからね。
 その対策として、アリエルを連れて行く。
 でも、アリエルを連れて行くには器が必要。
 でないと、コミュニケーションがとれないからだ。
 だからといって、この黒いウサギのぬいぐるみを連れていくわけないもいかない。
 人間の器が必要だ。
 憑霊ってやつだね。
 そんなの誰でもいいのだけれど、アリエルにとってはどうでもよくない。
 彼女のワガママによって、犠牲になったのは、先輩。
 なぜなら、生前の彼女とそっくりだそうだ。
 アリエルは自分と容姿が似ている先輩をご所望した。
 結果。
「……ふざけているの?」
 凍ってしまいそうなくらい、辛辣なミリアルの声。
「誰がふざけてこんな格好するか!」
 黒いロングの髪が印象的な美少女に大変身!
 服はアリエル好みの黒いドレスだ。
 あたしは趣味悪いと思うけどね。
「何だか昔を思い出すね、先輩!」
「うるさい、お前は黙ってろ」
にらまれてしまった。
 ミリアルは頭を抱えて大きなため息をついている。
「……誰が発案者? まさかあんたじゃないでしょうね」
 イオンが、メロディーおねーさんを鋭い目で見る。
 な、何でそんなに怒ってるんだよ……
「アリエルがワガママを言って聞かないから、似た人を探していたの。そしたら……」
 おねーさんはなぜかあたし見た。
え!? あたし、何かしたっけ?
「ほらソフィアちゃん……この間見せてくれたじゃない。昔の写真だって……」
「あ……そういえばそうだったっけ……」
 言われてみれば、おねーさんにそんなものを見せたような……
「お前! 取りあげたのにまだ持っていたのか!」
「いやぁ……アハハハ……」
 殴られたくなかったので、あたしはウィリアムの近くに避難した。
「ソフィア……! あんたってやつは、何てことを……!」
 イオンが小さな体を震わせ、怒りで顔真っ赤にしている。
「あんたはいつまでバカなことをやっているの! いい加減自覚しなさい! 自分がどういう立場の人間かってことを! リン様はこんなことをするためにあんたの傍にいるわけじゃあないのよ!? リン様はあんたのおもちゃじゃないのよ! この子に何かあれば私
は、あんたが八代目であろうとも許さないんだから!」
「イ、イオン……」
 イオンにこんなにも怒りを向けられたのは、初めてだった。
 叱られてばかりなのはいつものことだけれど、でも違う。
 何で?
 何でそんなに怒っているの……?
「イオンちゃん落ち着いて。ソフィアちゃんは悪くないんだから、責めちゃあいけないよ……」
 ミリアルがイオンをなだめるが、聞こえていなさそうだった。
「……リン君、それは君の意思? 君はそれで構わないのかい?」
 静かに、ミリアルは先輩に問うた。
「僕は嫌だよ、はっきり言って。でも君がいいって言うなら、応じるしかないとは思っている」
「嫌だけど、この人たちに迷惑をかけた自覚はある。俺が手伝うことで許されるのなら、俺はメロディーさんたちを手伝う」
 それを聞いて、ミリアルは再びため息をついた。
「ああ、そう……。わかったよ。今のは大人な僕の意見ね。大人じゃない僕の意見は
絶対に駄目。協力したくない」
 できないじゃなくて、したくない?
 わずかな言葉の違いに、あたしは違和感を覚えた。
「……やれやれ。手荒な真似はしたくないのですが」
 話が平行線になっていたところに、ずっと傍観していたウィリアムが口を開いた。
 ……とてつもなく嫌な予感がする。
「さっき二人にはお伝えしたのですが……ミリアル・スマイルさん。あなたにも同じことを言わせていただきますね」
 ウィリアムは先輩に近づき、首元にナイフを当てた。
あ!
 あたしはポケットに慌てて手を突っ込む。
 ない!
 あのナイフ、あたしのじゃあないか!
 ウィリアムめ……!
「あなたに選択肢も拒否権もありません。大人しく僕たちに従ってください。さもないと、リン君を人質にとらせていただきます」
 こいつ、犯罪者かよ..
 あ。犯罪者か。
「僕を脅す気かい、王子様」
「何が言いたいんです?」
 ウィリアムは刃先端を先輩の肌に押し当てた。
 赤い血が白い肌にじわりと浮き出る。
 あわわわ……こいつ本気だ!
「ウィル! やめて!」
 メロディーおねーさんが 怒った口調で言った。
 あたしも腰に隠している銃に手を触れた。
「――なんてね。冗談ですよ」
 緊迫した空気の中、ウィリアムがパッと手を離した。
 すぐさま先輩はウィリアムから距離をとるため、部屋の隅へと行ってしまった。
「でも、人質はわりと本気で言いました。どういう意味かわかりますよね?」
 ニコリと微笑むウィリアム。
「それでは、当日はよろしくお願いしますね、ミリアル・スマイルさん。僕たちのもこの件は一刻も早く片づけたいと思っていますので」
 ナイフをあたしに返し、ウィリアムはさっさと部屋を出て行く。
「まっ……待ちなさい! ウィル!」
 メロディーおねーさんとあたしは、慌ててその後を追った。


▼次の話【help5】

▼同時進行!【trio4】

そうじ屋の愉快なお仕事 trio4

trio4 ラン先輩がいなくなった後、リン先輩が大きなため息をついた。 呆れているようにも見えたが、どちらかと言えばこの場から姿を消してくれてホッとしている。といった感じだった。 ……俺には、気になることがあった。「あの……もしかして、何か知っているんですか?」 ギクッと、リン先輩とローズ先輩からそんな効果音が聞こえてきそうだった。 二人とも何も言わない。 ……何も言わないということは、やっぱり。「ラン先輩...



▼前の話【help3】
そうじ屋の愉快なお仕事 help3

そうじ屋の愉快なお仕事 help3

「彼のことは許せないけどね。でも、それ以上にホワイトのこと許せないわけ。せめてデュノアに、盗られた物を返してあげたいと思って、私は彼らに協力を求めたのよ」 ……デュノア家ってまだ存在しているんだ。 アリエルの話じゃあ相当非難を浴びたとのことだったので、没落していてもおかしくないと、あたしは思ったのだった。「ひっそりとまだ存続しているわ。一人の女に全てを狂わされた一家としてね。それよりも私の実家...



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そうじ屋の愉快なお仕事

そうじ屋の愉快なお仕事

あたしは自分を守れる強さがほしい。でも、今は違うんだ――そうじ屋見習いの少女、ソフィア。彼女は何を思い、何を求めて強くなりたいのか。そして、そうじ屋とは何なのか――。一人の少女と彼女を取り巻く人々の物語。





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そうじ屋の愉快なお仕事 trio4

trio4 ラン先輩がいなくなった後、リン先輩が大きなため息をついた。 呆れているようにも見えたが、どちらかと言えばこの場から姿を消してくれてホッとしている。といった感じだった。 ……俺には、気になることがあった。「あの……もしかして、何か知っているんですか?」 ギクッと、リン先輩とローズ先輩からそんな効果音が聞こえてきそうだった。 二人とも何も言わない。 ……何も言わないということは、やっぱり。「ラン先輩...
trio4

 ラン先輩がいなくなった後、リン先輩が大きなため息をついた。
 呆れているようにも見えたが、どちらかと言えばこの場から姿を消してくれてホッとしている。といった感じだった。
 ……俺には、気になることがあった。
「あの……もしかして、何か知っているんですか?」
 ギクッと、リン先輩とローズ先輩からそんな効果音が聞こえてきそうだった。
 二人とも何も言わない。
 ……何も言わないということは、やっぱり。
「ラン先輩を庇うわけではないですが……何か知っているのなら、教えてあげたほうがいいのでは……?」
「スノー、無駄だよ。一生黙っているつもりだもん、この人」
 なぜかソフィア様が口を挟んできた。
「どういうことですか?」
 ソフィア様までもが何かを知っているというのか。
「ランランが探しているのは、コレだよ」
 そう言って、彼女は一枚の写真を俺たちに見せた。
 そこには、幼女が二人映っていた。
 一人はソフィア様。
 楽しそうにお屋敷の庭を駆け回っている。
 もう一人は、そんなソフィア様を見守っている……が、その横顔は何だか物憂げだ。
 あちこちに巻かれている包帯が痛々しい……
 ……あれ?
 黒くて長い髪の女の子。
 あちこちに巻かれた包帯。
 さっき先輩が話していた特徴と一致する!
 こ、これって!
「――どこから持ってきたんだ、こんな写真!」
 もっとじっくり見ようと思ったところで、リン先輩に取り上げられてしまった。
「おばあちゃんのアルバムから見つけた」
「何のために見つけた!? 大体何だこれは! いつ撮った!?」
「まぁ、懐かしいわねぇ。ソフィア様もリンちゃんも小さくて可愛い」
 ローズ先輩が、リン先輩の持つ写真を見て目を細める。
 今、ソフィア様もリンちゃんも……って言ったか。
 あの写真にリン先輩の姿なんて……
 ……まさか……
「ソフィア様と一緒に映っている女の子って、リン先輩!?」
 ブロッサムも気づいたようで、叫ぶように言った。
 先輩は、頭を抱える。
「やっぱりわかるよねー。ランランってば本当おかしいよねー」
 なんてことだ。
 先輩の昔の姿にも驚きだが、それ以上にラン先輩の鈍さにも驚いた。
 わかってはいたが、ここまで酷いとは。
 確かに、女性が髪型を変えても気づかないタイプの人ではある。
 それが原因で、フラれているのも目撃した。
 けど、いくら何でも……
「……ラン先輩って目が悪いのかな……」
「それ、本人に言ってやれ。その細めをもっと開けと」
 言えるわけがない!
「……リン先輩はどうしてすぐに言わなかったんですか」
「どうしてと言われても……」
 リン先輩は顔をしかめた。
「あいつと出会った翌日に、俺はこの長い髪をバッサリ切った。その状態でやつと顔を再び合わせたが……驚いたことに、やつの中ではこの写真の人物と俺は別人だと認識していた」
 ……わからない。
 なぜそんなことになるのか……俺にはわからない……
「……髪を切っただけですよね?」
「驚くな。髪を切っただけだ」
「……」
 俺はもう何も言うことができない。
 そんな気力もない。
「何だかランちゃんったら、この黒髪の女の子に本気だったから……私もずっと言えず仕舞いで……」
 ローズ先輩までもが大きなため息をついている。
「……すみません……」
「スノーは悪くないのよ!?」
 後輩として謝らなければいけないと、つい謝ってしまった。
「似たような女が現れてくれないかな……」
 無茶を言い出すリン先輩。
 現実逃避というやつか。
「別にいいじゃん。言っちゃえば。このまま黙っているほうが厄介だよ。さっさとカミングアウトしなよ」
「お前……他人事だからって……」
「いや、これは言わないほうがいいのかもしれません……」
 だって先輩は、もし運命の人と再会できたならば、結婚を前提に交際を申し込む……と……
「カミングアウトしてしまったら、ラン先輩にとってもリン先輩にとっても……色々面倒じゃないですか……?」
「そうだな……」
 俺がそう言うと、ソフィア様以外の全員がため息をついたのだった。


▼次の話

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そうじ屋の愉快なお仕事 trio3

trio3 先輩に好きな人だって? そんな、まさか。 あれだけあらゆる女性に手を出しているというのに……?「誰々ー? 教えて! ラン先輩!」 ブロッサムは興味津々である。 俺も気になる…… どんな人なんだろう。「よくお聞き、後輩たち……あれは、櫻舞う春の日ことだ……」「え? もしかしてその話、長い?」「うるさい! 黙って聞け! ――僕はまだ、そうじ屋に入ったばかりだった」 まるで昔話でもしてくれるかのような口調...



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help3

「彼のことは許せないけどね。でも、それ以上にホワイトのこと許せないわけ。せめてデュノアに、盗られた物を返してあげたいと思って、私は彼らに協力を求めたのよ」
 ……デュノア家ってまだ存在しているんだ。
 アリエルの話じゃあ相当非難を浴びたとのことだったので、没落していてもおかしくないと、あたしは思ったのだった。
「ひっそりとまだ存続しているわ。一人の女に全てを狂わされた一家としてね。それよりも私の実家のほうが可哀想ね。私の家まで非難の的になってしまって、町人たちに全焼させられたわ」
 とんでもないことを彼女はあっさりと言ったが、あたしは驚きで言葉を失ってしまった。
 全焼させられて、その後アリエルの家族はどうなったのだろう。
 恐ろしくて聞けなかった。
「……それで、メロディーさんたちはどうやってこの幽霊と」
 黙ってしまったあたしの代わりに、先輩が尋ねた。
「実は一度……ホワイトの別荘に忍び込んだことがあったんだけど、そこでたまたま私が王冠を見つけたの。本当の目的は別にあったけから、そのときはスルーしたけど……何だかずっと私の頭の中にその王冠のことが残っていて。で、家に帰ったら……」
「私がいたってわけね!」
 アリエルは偉そうに胸を張る。
「メロディーに憑いてきたってわけさ……」
 リオンがため息交じりにそう言った。
 なるほどね……
「事情はわけったけどさ……どうしてミリアルの力が必要になるの?」
「そのことについては説明するから、今から彼に会わせてくれないかな?」
 お願い。と、両手を合わせておねーさんは可愛く微笑んだ。


▼次の話【help4】

▼同時進行!【trio3】

そうじ屋の愉快なお仕事 trio3

trio3 先輩に好きな人だって? そんな、まさか。 あれだけあらゆる女性に手を出しているというのに……?「誰々ー? 教えて! ラン先輩!」 ブロッサムは興味津々である。 俺も気になる…… どんな人なんだろう。「よくお聞き、後輩たち……あれは、櫻舞う春の日ことだ……」「え? もしかしてその話、長い?」「うるさい! 黙って聞け! ――僕はまだ、そうじ屋に入ったばかりだった」 まるで昔話でもしてくれるかのような口調...



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そうじ屋の愉快なお仕事 help2

help2「し……死んでいるって……」 先輩の顔が引きつっている。「幽霊って本当にいるんだ……」「……」 あたしがそうつぶやくと、先輩は黙ってしまった。「ふふ。驚いたでしょう? 私はこの世に未練がありまくりだから、あなたたちとこうやって話ができるのよ!」「要は、ウサギのぬいぐるみに死んだアリエルが取り憑いている状態なの。何かに憑かないと、生きている私たちとは話ができないんですって」 おねーさんが補足説明をして...



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そうじ屋の愉快なお仕事 trio3

trio3 先輩に好きな人だって? そんな、まさか。 あれだけあらゆる女性に手を出しているというのに……?「誰々ー? 教えて! ラン先輩!」 ブロッサムは興味津々である。 俺も気になる…… どんな人なんだろう。「よくお聞き、後輩たち……あれは、櫻舞う春の日ことだ……」「え? もしかしてその話、長い?」「うるさい! 黙って聞け! ――僕はまだ、そうじ屋に入ったばかりだった」 まるで昔話でもしてくれるかのような口調...
trio3

 先輩に好きな人だって?
 そんな、まさか。
 あれだけあらゆる女性に手を出しているというのに……?
「誰々ー? 教えて! ラン先輩!」
 ブロッサムは興味津々である。
 俺も気になる……
 どんな人なんだろう。
「よくお聞き、後輩たち……あれは、櫻舞う春の日ことだ……」
「え? もしかしてその話、長い?」
「うるさい! 黙って聞け! ――僕はまだ、そうじ屋に入ったばかりだった」
 まるで昔話でもしてくれるかのような口調で、先輩の回想が始まる。
 俺は興味ないんだけど……と、リン先輩が持ってきたお湯でお茶を淹れ始めた。
「この広い屋敷にも慣れていなかったし、不安もあった。周りは大人ばかりだし、僕は自分が何をしなければいけないのかもよくわかっていなかったんだ。まだキャロル様とも顔を合わせていなかった頃だからね。とにかく僕は、この家を一度探検してみようと思ったんだ。それでうろうろしていると……中庭を見ることのできる廊下で、女の子がポツンと一人そこに立っていたんだ。開いた窓から風と一緒に桜の花びらが、中に舞い込んできて、彼女は今にもその花びらと共に散っていってしまいそうな……そんな儚げな少女だった」
 先輩の想像力豊かな表現のおかげで、とても目に浮かびます、はい。
「その女の子は、どんな子だったの?」
 ブロッサムが尋ねる。
「黒くて長い髪の女の子だったよ。年は多分僕と同じくらい。あまりにも色白で、おまけにあちこち包帯だらけだったから、余計に儚げに見えたんだ」
 包帯……気になるな。
「その人、名前は? 今はどうしているの?」
 一番気になることを、これまたブロッサムが質問するが……先輩はなぜか悲しげな表情で首を左右に振った。
「何もわからないんだ……彼女の美しさに心奪われた僕は、その場に立ち尽くしてしまって、何も聞けなかったんだ。僕が声を掛ける前にその人は、僕の前から立ち去ってしまったよ……。それきり、彼女の姿を見かけることはなかった……」
 なんと。
 あの先輩が。
 名前も聞けずに終わったって?
 先輩にもそういう時期があったんだな……
「ラン先輩も何だかんだ言って、へたれなんだね」
「うるさいよ、ブロッサム! 先輩に向かって何てことを言うんだ!」
「でもおかしいよね。この家で出会ったのなら、その人もきっとそうじ屋だよね? 辞めちゃったのかな。もしくは死んだのかな?」
「縁起でもないことを言うな! 僕の初恋の人を勝手に殺すんじゃない!」
 先輩が忙しく突っ込んでいる。
 さすがの先輩もブロッサムには敵わないらしい。
 ……だけど、亡くなっているという可能性はゼロじゃない。
 いつ自分の身に何が起きてもおかしくないような仕事だ。
「僕はきっといつか彼女と再会できると信じている! そのときは絶対に結婚を前提に交際を申し込む!」
「先輩、大げさだなぁ」
 ラン先輩は真剣だが、ブロッサムは笑っている。
 そんなとき、「きゃあっ!」という、ローズ先輩の悲鳴があがった。
「り、リンちゃん! お湯が溢れているわよ!」
 見ると、机の上が大惨事になっていた。
「悪い……ボーッとしてた……」
「お、落ち着いて、リンちゃん! すぐに拭くからね! 火傷はしていない?」
「お前こそ落ち着け。それは台拭きじゃなくてハンカチだろ」
「やだ! 間違えちゃった!」
 二人があたふたしているが、ラン先輩は「何やってんだか」という目で見るだけで、特に手助けする気はないようだった。
「どう!? これで僕が一途だとわかったでしょ!?」
 ……色々と言いたいことはあるが、この状況下で話を続けるんだということはよくわかった。
「ランラン、それ本気で言ってんの?」
 ここで、ソフィア様が参戦。
 お菓子を食べながら、なぜかニヤニヤしている。
「ソフィア様まで信じてくれないのか……僕は大真面目だよ!」
「違うよ。そうじゃなくて、本当に気づいてないの? だってそれって……むぐぅ!」
 ソフィア様が何かを言おうとしたとき、リン先輩が光の速さで彼女の口に大量のクッキーを押し込んだ。
「ほらほらどうした。お前の好きなカスケード・カスタードのクッキーだぞ。遠慮せずにもっと食べろ」
「むががががが……」
「そうかそうか。美味いか。よかったな~ソフィア~」
 いや……あの……先輩……
 ソフィア様、苦しそうにしているんですけど……
「何だ、ソフィア様。結局僕の話なんかより、お菓子のほうがいいんだね」
 ものすごい勘違いをして、ため息をつくラン先輩。
 ……本当に初恋の人なんているのか疑わしくなってくるな。
「会議、まだ始まんないの? だったら僕、暇だからその辺散歩してくるね。もしかしたら、偶然彼女に再会しちゃったりして!」
 そんなことを言いながら、先輩はルンルン気分で出て行ってしまった。  


▼次の話【trio4】

そうじ屋の愉快なお仕事 trio4

trio4 ラン先輩がいなくなった後、リン先輩が大きなため息をついた。 呆れているようにも見えたが、どちらかと言えばこの場から姿を消してくれてホッとしている。といった感じだった。 ……俺には、気になることがあった。「あの……もしかして、何か知っているんですか?」 ギクッと、リン先輩とローズ先輩からそんな効果音が聞こえてきそうだった。 二人とも何も言わない。 ……何も言わないということは、やっぱり。「ラン先輩...



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そうじ屋の愉快なお仕事 help3

help3「彼のことは許せないけどね。でも、それ以上にホワイトのこと許せないわけ。せめてデュノアに、盗られた物を返してあげたいと思って、私は彼らに協力を求めたのよ」 ……デュノア家ってまだ存在しているんだ。 アリエルの話じゃあ相当非難を浴びたとのことだったので、没落していてもおかしくないと、あたしは思ったのだった。「ひっそりとまだ存続しているわ。一人の女に全てを狂わされた一家としてね。それよりも私の実家...


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そうじ屋の愉快なお仕事 trio2

trio2 不定期に行われる、会議。 それに参加するために、俺とラン先輩はリプトン家のお屋敷を訪れていた。 ただし、参加するのは俺たちのような下っ端構成員。 八代目候補のキャロル様たちは参加しない。「思ったよりも早く着いちゃったね。お茶でも飲んで待ってようかー」 先輩の言う通り、開始時刻までそこそこある。 オールディス家からここまで長旅だったので、少し疲れた。 会議が始まるまで休憩しておくべきだろう……...



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