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個別記事の管理2016-02-11 (Thu)
lead8-8 エステル・スタンリー

夫のハワードが犯人ならば、彼女もまた共犯者だろう。
とても嘘をつくようなタイプには見えないが、殺人なんて犯してしまったら、黙っているしかあるまい。
彼女もまた、夫同様疑いづらい証言をする。
「それじゃあ、エステルさんがソフィアさんに声をかけた、と。」
「はい、そうです……」
シャルロットは少しボーっとしていたが、我に返った。
ソフィアと話した昨夜のことを言っているようだった。
「元気で可愛らしいお嬢さんでしたので……つい……娘も生きていればあんなふうに……」
突然目に涙を浮かべるエステル。
三人は焦る。
「だ、大丈夫ですか……?」
「すみません……昔のことを思い出してしまって……」
ハンカチで涙をぬぐう。
今の彼女の発言に三人ともある疑問が浮かんだのは、当然だった。
「失礼ですが……ご夫婦にお子さんは……?」
「……います……いえ、正確にはいました……娘が、一人。」
「その娘さんは……?」
「亡くなりました……二、三年前に……自ら命を……」
そのときのことを思い出してか、彼女は再び泣き崩れる。
自分の娘とソフィアと重ねてしまったのは、言わずともわかった。
「見苦しい姿をお見せしてすみませんでした……どうか主人には言わないでもらえますか。主人も私と同じく、まだ傷が癒えていないので……」
落ち着きを取り戻してから、彼女はそう言ったのだった。

彼女が出て行ってから、その場は何となく重苦しい空気に包まれた。
「……思わぬ方へ話がいってしまいましたね……」
「そうだな……しかし、子を失うことが、親にとってどれほど辛いものか……」
「オッサン、子どもいるのか。」
「ああ……」
同じ親として、何か感じられずにはいられなかった。
「田舎の母さん……元気かな……」
ノーランがボソッと言った。
シャルロットもふと、両親のことを思い出す。
「――――そんなことをしている場合ではない!おい!ノーラン!次だ!」
最初に目を覚ました警部が、いつもの調子で怒鳴る。
「は、はい!」
二人も我に返る。
「次は誰?」
「えっと……ミリアル・スマイルです。」
その名を聞いて、シャルロットは顔をしかめた。
知っている相手というのは、非常にやりづらい。
「先生、アンタ、友人なんだろう。」
警部が鋭い視線を投げかけてくる。
「そうだけどさぁ……仲良しこよしってわけじゃあねぇし……」
「先生は彼の婚約はご存知でした?」
ノーランの質問に詰まる。
「……いや……その……彼女には会ったことはあるけど……婚約とか、そういうことは……」
ミリアルが嘘を言っているという考えは、彼の中に微塵もなかった。
「友だちにはそういうのって話しません?」
「だからぁ。俺とあいつはあんたらの思っている友だちとは違うって。」
よくよく考えてみれば、遊んだり、という記憶もない。
年が離れているせいか。
「せいぜい講義を一緒に受けたくらいか。」
学生時代のことを思い出して言った。
二人はよくわからないという顔をしている。
「アンタ……一体いくつなんだ……」
「え?―――ああ……アレだよ、飛び級ってやつ。俺、頭いいからね。学校はもう出たよ。」
さりげない自慢に、警部はイラッとする。
ノーランは「すごい!」などと言って、感心している。バカか。
「もういい。次だ、次!」


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