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個別記事の管理2016-02-13 (Sat)
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「リン君!」
ミリアルが急いで部屋へ戻ると、リンはボーっと吹き荒れる外を眺めていた。
「……ああ……ミリアルか……もう終わったのか……?」
「マリーから聞いたよ。大丈夫かい?」
「全く問題ない……マリーにそう伝えろと言っただけだ……」
それにしては顔色が悪い。
「はぁ……なんでこんなことに……」
「ごめんよ。僕のせいで……」
「気にするな。お前を責めているわけではないんだ。」
ため息をつきながら、リンはベッドに腰をかける。
「……それで。俺はどうすればいい。」
「僕かマリーのどちらかが付き添ってもいいって。」
「大丈夫だ。俺一人で行く。」
「でも……」
「心配するな。病人のフリはするから。」
フリをしなくても、十分病人のように見える。
わかったよ……と、ミリアルは承諾した。
「僕が聞かれたのは、昨夜いつ部屋に戻ったのか、あの男とは知り合いなのか……とか、そんな感じ。夜中に聞いた物音のことは話したよ。」
シャルロットに追いつめられた件は黙っていた。
「僕は一人で先に部屋に戻って、そのすぐ後に君が戻って来たと答えておいた。」
「わかった……」
するとそのとき、部屋の扉がノックされた。
ミリアルが出て行くと、そこにいたのはアンナだった、
「お昼ご飯よ。あなたたちはここで食べて。」
「ありがとうございます。」
アンナを中に招き入れる。
「怪しまれたらいけないから、すぐに出て行くわ。食器はまた後で取りに来る。」
「すみません……お手数おかけします……」
ミリアルが頭を下げる。
「大丈夫なの?」
「……たぶん……」
力なくリンは答えた。
「あの刑事はおそらく好奇心であなたたちのことを聞いているだけだろうから、適当に流しなさい。世間には知られてしまうかもしれないけどね。」
「……それが一番嫌なんですよ……」
「諦めるしかないわね。」
バッサリと切り捨てられ、二人は肩を落とした。
「そう気を落とさずに。きっと何とかなるわ。探偵さんがいるんだもの。」
「その探偵のことが信用できなくなってきたんですけど……」
さっきの取り調べを思い出すと、頭が痛くなる。
「ご飯を食べて元気を出してちょうだい!私は戻るからね!」
アンナはそう言って、部屋から出て行った。
「……食欲ないな……」
「僕もだよ……」
それでも二人は無理やり食べ始めた。
「そうだ……君に渡しておきたいものがあるんだ……」
ミリアルが自分の鞄から、あるものを取り出した。
小さな箱。
何だか見たことがあるフォルムだ。
でもまさか、自分の思う“それ”だとは思いたくはなかった。
「手、出して。」
「え……嫌ですけど……」
拒否すると、沈黙が流れた。
「……わかった。わかったよ。付けなくていい。せめて持っておいてほしいんだ。」
箱を開けて、ミリアルは指輪を取り出した。
やはり想像した通りで、リンはますます顔色が悪くなった。
「な……ななな何でお前……そんなものを……」
「僕が買ったわけではないということは、信じてほしい。」
仕方がないので、震える手で受け取る。
「前々からキャシー君に……渡されていたんだ……もしものときのためにと……こんなところで使うことになるとは……」
「……。」
脳裏に高笑いをする、彼の秘書が現れる。
おそるべし……キャサリン・クロッシュ……
「……婚約指輪ってどこにはめるんだっけ……」
「結婚指輪と同じ。左手の薬指。」
リンはカーディガンのポケットにしまっておいた。
とてつもなく重く感じる。
なぜこんなことに。と、何度も思っていることをまた思うのだった。

食事を終え、覚悟を決めてリンは部屋を出た。
「あ。」
何のタイミングか、キャロルと出くわす。
「リン!婚約おめで―――」
全て言い終わる前に殴り飛ばした。
「何か音がしたけど……うわっ!?」
ミリアルも出てきて、驚きの声をあげる。
「い……いいの、これ……放っておいて……」
「いいの。」
キャロルはピクリともしなかったので、若干不安になる。
しかし、リンがさっさと行ってしまうので、慌てて後を追いかけた。


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