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個別記事の管理2016-02-14 (Sun)
lead8-10 リン

美人は好きだが、リンのことは苦手だった。
言葉を交わしたことはほとんどなかった。
しかし、本能的に彼女のことを“怖い”と思ってしまっているせいかもしれない。
なのでシャルロットは緊張していた。
「昨夜の夕食の後のことをお聞かせ願えますか。」
「……はい……」
リンは薄い唇をゆっくりと開いた。
「ウィリオス先生が先に部屋へお戻りになり……その後しばらくしてからミリアルが席を立ちました。私とマリーは食堂でくつろいでいたのですけれど……だんだん体が冷えてきたので、私も戻りました。」
そう語る彼女の顔色の悪さに、こちらまで心配になってきた。
「スマイルさんが被害者に話しかけられていたとき、あなたもその場にいましたよね?」
「ええ、はい……」
「彼と被害者は顔見知りですか?」
「彼は知らないと言ってましたけれど……?」
「あなたは?」
「知りません……」
ゆっくりとリンは首をふった。
「彼が忘れているという可能性や、あなたに嘘をついているという可能性は?」
「……私に何かを期待しているようなら、無駄ですよ……。あの人の仕事関係のことは私にはわからないので……」
「でも、あなたは婚約者ですよね?」
「……はい?」
リンは首をかしげる。
「だから何です?」
「婚約者なのに、何も知らないんですか?」
「……私の知ることではないと、思っているので。」
気分を害したのか、急に口調がトゲトゲしくなる。
「刑事さん……まさか彼を疑っているのですか?」
信じられないという目で、三人を見る。
「ミリアルが人殺し?一体どういう動機で?絶対にあり得ません。そんなことができる人ではないです。」
「いえ、あの、決してそういうわけでは。」
「第一、私と彼はほぼ行動を共にしています。先に眠ったのも、彼です。そんなことをしている時間なんてありませんでした。」
「スマイルさんは昨夜、なかなか寝付けなかったとおっしゃっていましたが。」
「そうです。私も彼も遅くまで起きていました。妙な物音を聞いたりもしましたが……最終的に先に眠ったのは、あの人です。」
なぜか恨めしそうな表情である。
「その物音について、詳しく知りたいのですが……」
「詳しくも何も、どこから聞こえてきたのかもよくわからないですし。吹雪の音に混じって聞こえてきたので、気のせいかもしれません。」
ミリアル同様、曖昧だった。
「あなたはスマイルさんと上手くいっていますか?」
「……はい?おっしゃってる意味がよくわからないんですけれど。」
「いえ、先ほどウィリオス先生が、スマイルさんに婚約指輪のことをおっしゃっていまして。」
ノーランの話を受けて、リンはゆっくりとシャルロットの方を見た。
シャルロットはすぐさま目をそらす。
「あなたは婚約者として、嫌ではないのですか?せっかくの指輪を付けられないなんて。」
「……彼が付けるなと言うなら、私はそれに従います。私は一切気にしておりません。今度は私のあの人の関係まで疑っておいでですか?」
相当気に障ったようで、リンは机の上に指輪を置いて見せた。
「残念ながら、嘘ではございませんので。」

リンが出て行くと、待ち構えていたらしいミリアルが駆け寄ってきた。
彼は心配そうに何度も「大丈夫?と、尋ねていた。
「いいなぁ。僕もあんな美人と結婚したい。」
そんな二人を見てか、ノーランはぼやく。
警部は呆れたようにため息をついた。
「ミリアルのやつ……顔で選んだのか……?」
今までつきあっていた彼女のタイプからはかけ離れているので、不思議に思うシャルロットであった。


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