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個別記事の管理2016-02-26 (Fri)
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各々天井から部屋に戻っていく中、リンはローズを呼び止めた。
「悪いな、ローズ。マリーと同じ部屋にさせてしまって……」
「いいのよぉ。気にしないで。マリーさん、とても面白い方だもの。私、気に入っちゃった。」
ローズは微笑み、リンの両手を優しく取る。
「リンちゃん……私はいつだってリンちゃんの味方よ。頼ってくれていいからね。」
「どうしたんだ、いきなり……」
突然のことに、リンは戸惑う。
しかし、ローズはその質問に答えず、ただリンの手を握り悲しそうに微笑むだけだった。
ローズも戻っていき、再び部屋は二人だけになる。
見ると、リンはまた黙々と編み物をしていた。
仕事をしようと思っていたのに、何だかやる気が失せてしまったミリアルは、一人浴室へと向かった。

シャワーを浴びて出てくると、時計の針は23時前を指していた。
もう寝るか……と、ため息をついていたら、何かが首にかけられた。
「……よし。完成。」
目の前に立つリンが、満足気に自分の方を見上げていた。
「……え?何?これ、くれるの?」
首に巻かれたマフラーとリンを交互に見る。
リンは何も言わずにベッドに入っていく。
マフラー持ってきているのに……と、少し困る。
「せいぜいそのマフラーどうしたのかと聞かれて、返答に困るがいい。」
「……嫌なこと言うね……」
ミリアルはマフラーを取り、鞄の上に置いた。
「前にもマフラー編んだはずなんだけどな。」
「……。」
忘れてはいないが、一度も使ってない。
聞こえてないフリをして、ミリアルは部屋の電気を消した。
「昨日は散々しゃべり倒しておいて、先に寝やがったからな。今日は俺の方が先に寝てやる。」
「ごめんってば……」
まだ根に持っているらしい。
「邪魔するなよ。」
「そんなことしないよ……君が寝るまで起きててあげるよ。さぁ、早く寝るといい。ねーむれーねーむれー」
子どもを寝かしつける母親のように、布団の上からポンポンと叩く。
「子ども扱いするな!頼むから静かにしてくれ。」
「はいはい。」
そう言いながらもミリアルは手を止めないし、鼻歌で子守歌まで歌いだした。
「……そういや何で他のやつらには、あの物音が聞こえなかったんだろう。」
目をつぶっていたが、ふと疑問に思い尋ねた。
「部屋の位置だよ~」
「位置?」
「そう。ケアリー・クックの部屋はこのフロアの一番端、というよりかは奥にあるだろう。そして、その隣には僕たちが今いるこの部屋さ。」
それを聞いて納得するが、まだ疑問は残っていた。
「話し声とか聞こえてもおかしくないのに、そういうのは全く聞こえなかったな。」
「それもまた部屋の位置。」
どういうことだ?と、少し顔を動かしてミリアルの方を見る。
「彼の部屋と僕たちの部屋の間には柱がある。」
「……ああ……それで……」
物音だけは変に聞こえてきたということになる。
「よく気がついたな。」
「探偵でなくともこのくらいは気がつくさ。」
ずっと目を閉じていたくせに急に開くので、リンは慌てて顔をそむけた。
会話が途切れたところで、ミリアルは再び子守歌を歌う。
「……なぁ。」
「うん?」
「お前もガキのときはこんなふうに、母親に寝かしつけられたのか?」
「いいや。」
即答だった。
少し意外だったので、驚く。
「だったら、なぜ。」
「こんなことするのかって?まぁ、何となく?でも憧れはあるよね。」
ミリアルはここで、大きなあくびを一つする。
「こう、包容力のある優しいお母さんがやってくれるなら嬉しいけど。自分の母親は絶対ない。そんなことされたら余計に眠れなくなる。」
こうやって、たまに母親のことを話すミリアルからは、嫌悪感のようなものが感じられる。
「あの母親はそんなことをするような人間じゃあないからね~……」
「……いつも思うけど、お前の母親って一体どんな人なんだ?」
今こそ聞いてみよう。と、尋ねたが、返答はない。
「おい、ミリアル……」
見ると、彼は深いに眠りに落ちたようだった。
「……ムカつく。」
リンは一人、ボソッとつぶやいた。


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