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個別記事の管理2016-02-28 (Sun)
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勢い込んで遺体を調べたはいいが、何も見つけられずに終わってしまった。
あまり長居もできないので、リンはガッカリしながら階段を上っていた。
死んだ男の遺体には、古傷が多くあった。
きっと数々の修羅場をくぐり抜けてきたのだろう。
自分の体にも、傷は沢山残っている。
そう考えると、同業者だというイオンたちの推測は当たっているのかもしれない。
問題は、あの夫妻がどう関わっているかである。
様々な考えを頭の中で巡らせていると、視界に誰かの足元が映った。
ドキッとして顔を上げると、一番会いたくない人間がそこにいた。
「……何やってんの。」
「……別に。テメェの方こそ何でこんな所にいるんだよ。」
「死体を拝ませてもらおうかと思って。」
考えてることは同じだったようだ。
「あ、そう。それじゃあ俺はこれで……」
さっと目をそらし、リンはランの横を通り抜けようと、階段を上がった。
「―――待って。」
目の前に、彼の腕が伸びてきて、行く手を阻まれた。
「な……何かご用でしょうか……」
「どうして避けるんだよ。」
「……避けてねぇし……そもそも俺に関わるなって、前にも……」
しどろもどろになりながら、リンは言う。
「関わるなとは聞いてない。会いに来るなとしか言われてない。」
「つまりはそういう意味だろ……察しろよ……」
「わからない。だって僕は鈍感だから。」
開き直るなよ……と、リンは心の中でつぶやく。
「ねぇ、その指輪は何なの。」
ミリアルに言われて泣く泣くはめている指輪のことを指摘され、思わず手を背中の後ろに隠した。
「何って……そういう設定なんだから仕方ないだろ……」
「婚約者?」
リンは答えない。
「正直、ミリアル・スマイルのことが気に食わない。何でかはわからないけど。」
「だから何だよ。俺には関係ない……。それより、どいてくれ。俺は戻るんだ。」
「まだ話は終わってない。」
ランの視線が痛い。
リンはずっとうつむいたままだった。
「この間は一方的に話を聞かされただけで、僕は何も言えなかった。お前は何を隠しているんだよ?」
「それはこの格好のことを言っているのか……?仕事だって言っただろう。嘘はついていない。話せば長くなるし、事情も複雑だ。だから……」
「じゃあ僕の目を見て話せよ!」
ランはバン!と壁に手をついた。
嫌でも彼の目を見ることになる。
あまりにも真剣なその目からは、逃れることができなかった。
「な……何なんだよ……お前に話せることはもうない……。早くどけよ。戻らないと、ミリアルが心配する……」
「あいつが何だっていうんだよ!ただのクライアントだろう!?」
違う。とは言えなかった。
実際、彼の言っていることは正しいのだから。
この頃色んなことが起こりすぎて、考えていなかった。
ミリアルは、元々はクラインとであるということを。
黙ってしまったリンを見て、ランは絶望やら怒りやらが混じったような感情が、自分の中から湧いてくるのを感じた。
「……リン……」
口を開いたそのときだった。
「……あ……」
人の気配がして顔を動かしてみると、そこにはあの若い刑事がいた。
「……えーっと……その……お邪魔……しました~……」
固まる二人を見て、彼は逃げるように去って行ってしまった。
端から見れば、ランがリンに迫っているようにしか見えない。
しかも今の二人は、赤の他人という設定だ。
現実が飲み込めた途端、どっと冷や汗が吹き出してきた。
「ど……どうしよう……」
「……リン……?」
彼の顔は青ざめていた。
「最悪だ……どうしよう……どうしてこんなことに……」
「リン……!?」
肩が小刻みに震えている。
「……ミリアルに迷惑がかかる……」
心配になったランは、リンの肩に触れようとした。
しかし、振り払われてしまった。
「―――触らないでちょうだい。」
「……!?」
人が変わったように、リンは自分の方を見つめていた。
「は……!?」
なぜ手を叩かれたのかもよくわからない。
それに、声はリンだが口調が明らかにおかしかった。
「聞こえなかった?私に触らないでちょうだい。あと、そこをどきなさい。近いわ。」
「リ、リン……お前、何言って……」
「リンじゃない。」
「……は?」
「アリエルよ。」


一応どこの話とリンクしているか貼っておきます~
リンの平和なお仕事 13

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