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個別記事の管理2016-02-29 (Mon)
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姿形はリンそのものに間違いないが、心なしか目つきがいつもと違う。
人を見下しているかのような、そんな目だ。
レディ・カトレアより高飛車という言葉が似合う気がする。
「全く、困ったものね。動揺する度に私が出て行かなくちゃいけないもの。」
やれやれ……と、リン……ではなく、アリエルはため息をつく。
ランは未だ状況が理解できずにいた。
何だ?アリエルって?
こいつ、とうとうおかしくなったのか?
二重人格?
「ちょっと。」
そんなことを考えていると、人差し指を向けられた。
「おかしくなんてなってないわよ。それに二重人格でもないわ。私は私、リンはリンよ。少しリンの体を借りているだけ。」
「何を言っているのか、さっぱりなんだけど……」
というか、心の声を読まれた?
ランの頬に一筋の汗が流れ落ちた。
「わからなければわからないままでいいのよ。説明するのも面倒だし。」
「説明してくれた方が、ありがたいんだけど……」
「お黙りなさい。私に指図するの?」
ピシャリとアリエルが言い放ち、ランは口をつぐんた。
「あなた、顔は悪くないんだけれど……私、浮気者は嫌いなのよねぇ。」
そして彼女は勝手に語りだす。
「私はある意味、彼の浮気で死んでしまったようなものだし……うん、そうね。あなたはこの私に相応しくないわ!」
「……。」
こんなはずじゃあなかったのに……と、ランは心の中でつぶやく。
「せっかく表に出てこられたのに、まさかあなたに出食わすとはねぇ。あとで彼に小言を言われるかしら。その前にリンと交代すればいいわよね。彼もリンならうるさく言わないわ、きっと。」
一人でしゃべり続けるアリエル。
ランは居心地が悪くて仕方がなかった。
夢でも見ているのだろうかと、自分に問う。
「えーっと……アリエルちゃん……だっけ?」
「“ちゃん”?この私を“ちゃん”呼ばわりするの?」
ギロリとにらまれてしまう。
「私はあなたの愛人ではなくてよ。言葉を慎みなさい。」
「す……すみません……」
さすがのランでも手に負えない。
「君はリンとは別……なんだよな……?」
「そう言ったじゃない。リンの隠れた人格とでも思っているのかしら?私はただリンの体を借りているだけよ。シェアしていると言えばいいのかしら。」
「か……借りている……?」
ますます混乱する。
「私、死んでいるのよね。」
「は?」
「何かに乗り移らなきゃ、あなたたちと会話できないのよ。あなたに霊感があれば別の話だけど。」
説明されても理解できない。
ポカンとしたまま、彼女の話を聞くことしかできなかった。
「リンは生きていた頃の私にそっくりなの。漆黒のマーメイドと言われた、美しい私に!私は目的を果たすまではリンから出て行かないわよ。」
「……でもリンは男……」
「見た目が良ければ性別など関係なし!」
また人差し指を突きつけられ、後ずさりする。
「だ……だからって何でリンなんだよ……女の子でも探せば似た子はいるんじゃあ……」
「いなかったから、私は今リンに乗り移っているのよ。」
「いるじゃん。リンの知り合いに。」
「……何ですって?」
アリエルの目が鋭くなる。
「彼女の方が何百倍も愛嬌があるから、あのときは気づかなかったけど……改めてこの姿のリンを見て、似ているなと思ったよ。もっと早くそのことに気がついていれば、声なんてかけなかったのに……。リンと似ているなんて、ごめんだよ。」
「あなた一体誰のことを言って……」
問い詰めようと、アリエルが一歩踏み出したときだった。
「あ、先輩こんな所にいた。ランランも……。早く戻ってきてよ、ミリアルが探しているよ。」
現れたのはソフィアだった。
「またケンカしてたの?」
彼女は二人を不思議そうに見る。
「私はそんな野蛮なことしないわ。」
「うわ、アリエルじゃん。先輩じゃなかった……。いたんだ。」
「何よ。いたらいけないの?」
ソフィアはアリエルの存在を知っているらしく、普通に言葉を交わしている。
ランは何だか自分だけが、取り残されたような気分になるのだった。



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