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個別記事の管理2016-03-06 (Sun)
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食堂に関係者が集められた。
全員の顔が見える位置に、シャルロットと二人の刑事は立っていた。
「皆さん、お集まりいただきましたのは、この事件の真相について、ウィリオス先生からお話していただけるからです。」
ノーランが進行していく横で、シャルロットは体の震えを何とかおさえこんでいた。
緊張でさっき食べた昼食を戻しそうだ。
ノープランだから、余計に緊張する。
「それでは先生、お願いします。」
話を振られて、シャルロットは一歩前に出た。
「……えー……」
ゴホンと、わざとらしく咳払いをし、頭の中がすでに真っ白なシャルロットは口を開いた。
「―――犯人は……」
よくある推理ものの探偵のように、大げさに人差し指を例の夫婦に向けた。
「あなたです!!」
全員の視線が二人の方にいく。
刑事と夫妻はかなり驚いた様子である。
「な……何を証拠にそんなことを……」
そう。証拠がない。
証拠にしようと思っていた物は消え去ってしまったし、何の考えもない。
しかし、ここまで来てしまったのだ。
やるしかない。
「……決め手は奥さんの話です。」
「何だって……!?」
夫は妻の方を見る。
妻は何のことだかわかない、という表情だ。
「あなた方には娘さんがいた……」
「なぜそれを……まさか、エステル。お前。」
「その通りです。娘さんのことは奥さんから聞きました。亡くなったそうですね。」
シャルロットは話しながら、歩き回る。
「自殺……と、おっしゃっていましたが。果たして本当にそうなのでしょうか?」
夫妻は答えない。
昨夜のイオンやキャロルの推測を話しているだけなのだが、どうやら図星らしい。
シャルロットはひとまず安心した。
「何も言わないということは、イエスということでよろしいでしょうか。それでは、娘さんは殺されたと言うことで話を進めさせていただきます。」
さらにシャルロットはうろうろしだす。
「その娘さんを殺した犯人は、ケアリー・クックなのではないでしょうか?警察には娘の死を自殺と断定され、納得のいかなかったあなた方ご夫妻は、ケアリー・クックが犯人だという確信を得たのでは?」
相変わらず彼らは何も言わない。
「……まさか……」
その代わり、口を開いたのは警部だった。
「思い出したぞ……!マーサ・スタンリーの事件か……!?」
「ああ……!確かに不審な点はいくつか見受けられましたが、最終的に自殺ということで終わった……」
「終わってなどいない!」
ハワード・スタンリーが耐えかねたのか、叫んだ。
よし、きた!と、シャルロットはほくそ笑む。
「あんたら警察がきちんと捜査をしないから……!あの子は自殺だと決めつけられた!あんなに明るくて優しい娘が!心を病んだなんて!嘘に決まっている!!」
「あなた!もうやめて!」
感情任せに叫ぶ夫を、妻が必死に止めようとする。
「ご説明していただけますか。」
「娘はとある富豪の家のメイドとして働いていた。しかし、そこのご子息と恋仲になってしまい、娘はその家の秘密を知ってしまったらしい……」
だんだんと、彼の口調は重くなっていく。
「秘密、と言いますと。」
「詳しくは言えないが……なにやら不正を行っているようだ……。口外されることを恐れ、口封じに娘は雇われた殺し屋に殺された。その殺し屋というのが、ケアリー・クックだ。」
“殺し屋”ろいう単語に、刑事達はさらに驚いた表情になる。
他の面々も驚いているふりをする。
「私と妻はずっと……娘の死を不審に思っていました。ありとあらゆる手で調査をして、ようやくこの男にたどり着きました。そして、この宿に泊まる予定があるということも。」
夫、ハワードは悲しみに暮れながら話し、妻のエステルもまた、うつむいていた。
「皆さんがお眠りになられた頃を見計らい、私たちはやつの部屋を訪れました。……やつは私たちの存在に気づいていたようです。すぐに中へ通されました。そこで口論となり……やつは、やって来た私たちを初めから殺すつもりでいたのでしょう。私はやつに襲われましたが、必死に抵抗しました。そして私は……」
「直接手を下したのは、私です。夫ではありません。」
ハワードを遮り、妻のエステルが言った。
「エステル……!」
「包丁は私がキッチンから盗み、隠し持っていました。夫にも黙っていました。やつが夫を殺そうと、、そちらに気を取られている隙に……私が後ろから刺したんです。」
ケアリー・クックの背中には、確かに包丁が刺さっていた。
二人は殺害を認めた。
何とか自白に持ち込めて、シャルロットは心の底から安堵した。
「関係のない皆さんを巻き込んでしまったことは、非常に申し訳ないと思っています。しかし、どうしても許せなかった。娘の人生はこれからだというのに……!自分たちの都合でそれを奪われたなんて……!」
彼は肩を震わせる。
「だからって、殺し屋一人をこの世から消したって……何もならないじゃねぇか!雇い主の方を潰さなきゃ……!」
シャルロットはそんな彼に向かって、そう言った。
全くその通りである。
彼らもわかっていただろうが、第三者から言われて改めて気づかされた様子だった。
「そう……だな……探偵さん……あなたの言う通りだ……」
そして彼は、ある行動に出た。
「けど、何かをせずにはいられなかった……!たとえそれが間違っていたとしても!」
ナイフを取り出し、近くにいたソフィアの喉元に押しつけたのだった。



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