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世界で一番くまが好きなのかもしれません。

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絆 episode3 嫉妬 (2)



こうして数学の補習がスタートしたわけなのだが。
「やっべー! 全然わからねぇー!」
隣に激しく同意である。
私もだんだん頭が痛くなってきた。
「二人とも落ち着いて……。また始まったばかりだからね!?」
さすがの先生も、私たちのあまりのできの悪さに狼狽えている。
「野沢ってさぁ、意外と頭悪いんだな」
「城山君に言われたくないんだけど……」
私と共に補習を受けているのは、城山大地君。
クラスのムードメーカーである。
まさか、彼もあまり成績がよろしくないとは……
「……城山君って、内部進学だよね?」
内部進学、つまりは中学校も天の川学園ということだ。
「う、うるせーな! 何だよ、その目は! 成績の良し悪しに内部も外部も関係あるかよ! むしろ、外部進学のやつの方が頭いいんじゃねぇのか?」
「そ、そんなこと……ないし……」
恐らく、私の頭が悪いだけだろう。
「はいはい。外部も内部も関係ないから。手を動かして!」
先生に注意され、勉強できない者同士の醜い争いは中断された。
そしてそこから数十分、先生に教えられて数学の問題を解いた。
放課後ではあるが、定時国に鳴るようになっているチャイムの音が響き渡ったところで、今日の補習は終わり。
いくら霧谷先生の教え方が丁寧でわかりやすくとも、勉強が苦手な我々にとってはいっぱいいっぱいだ。
それだけ、終了したときの解放感は大きかった。
日が暮れそうだというのに、城山君は部活へ行くと言って、部室棟の前で別れた。
サッカー部だそうだ。
私は帰ろうかと思ったが、せっかくここまで来たんだし。と、そのまま中へ入った。



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