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個別記事の管理2016-12-05 (Mon)
advance11

リディアさんとはその食堂で別れ、あたしとイーサンはぶらりと村を歩き回っていた。
辺り一面は田んぼで、これといって面白いものがあるわけでもなかった。
時折見かける人といえば、やはりお年寄り。
もしくは動物。
さっきなんて、誰かに飼われているのだろうけど、牛が一匹で闊歩していた。
「……あたしの住んでいる所もたいがい田舎だと思っていたんだけどな」
「あそこは田舎というより、金持ちの避暑地みたいなところだからな」
あ、そっか。
ミリアルみたいなやつも住んでいるしね。
「村の人達も、本当にお年よりばっかだね」
「あぁ。今のところリディアさん以外の若者を見かけていないな」
確かに。
けど、こうもお年寄りばかりだと、農作業も大変そうだ。
ほら、あそこのおじいさんだって……
「……あたし、手伝ってくる」
「あ、おい!」
野菜難くさんは言った重そうなカゴを持ち上げているおじいさんのもとへと、あたしは駆けていった。

「すまんねぇ。女の子にこんな重い物を持たせてしまって」
「ううん。いいの。あたし、普通の女の子とは違うから、平気」
あたしは追いかけてきたイーサンと共に、おじいさんの仕事を手伝った。
「ご老体、普段から一人でこの重労働を?」
「ああ……もう慣れたものさ……と言いたいところだが」
おじいさんの表情が少し曇る。
「ばぁさんも死んでしまったし、さすがのワシも限界を感じ始めてなぁ……息子が跡を継いでくれれば何ら問題はないんだが、都会へ出たきりでなぁ」
「大変なんだね」
ここでも若者不足。
「また若い人が戻ってきてくれたら、どんなにいいことか……」
「ねぇ、おじいさんはあの遊園地には何も期待してないの?」
あたしは、遠くに見える施設を指さす。
「期待……な……。初めは皆も期待しておったが……まさかこんなことになろうとは……」
何やら意味深なことをつぶやき、おじいさんはうつむく。
こんなこととは一体……?
「あの遊園地を作った人って、ここの村出身なんでしょ。どんな人なのか、おじいさん知ってる?」
「さぁなぁ……昔は子どもも沢山いたからな……どの子なのやら……」
その後もしばらくおじいさんと話、最後にあたしたちに塩むすびをくれた。
塩しか味付けされていない、シンプルなおにぎり。
でも、とても美味しそうだった。


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