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個別記事の管理2016-12-10 (Sat)


先輩はまだ部室にいた。
来客があったからだ。
天の川学園バドミントン部のジャージを着た、男女二人。
「あぁ、気にしないでください。そいつも一応ここの部員なので」
やって来た私を見て、先輩は二人にそう説明した。
先輩が敬語を使っている。
ということは、二人とも三年生なのだろうか。
「なぁ、霧谷。頼むよ。俺はどうしても許せないんだ」
「私からもお願いするわ。一度だけでもいい。せめて部室だけでも」
「一体何を見ろっていうんですか」
二人が必死にお願いしているというのに、先輩は冷たく突っぱねた。
あれ? 何だかわからないけど、あまり乗り気じゃないの……?
「俺が部室を見て、犯人を特定できるとでも? 先輩方は俺を何だと思っているんですか。俺は警察じゃあないんですよ」
「わかってるけどっ……!」
男の人の方が食い下がる。
「あぁ、もう。わかりました。この件は検討させてください。今日のところはお引き取り願えますか。俺にだって考える時間はほしい」
ほぼ追い出されるような感じだったが、二人は大人しく部室を出ていった。
「はぁー……」
先輩は疲れ切った様子で、ソファーに身をゆだねた。
「殺気の人達は?」
「バド部のキャプテンとマネージャー……」
マネージャー。
今の女の人が。
そうか、なるほど。
高校の部活だからマネージャーがいてもおかしくないな。
何か格好いい。
「それで、何を頼まれたんですか?」
「よくぞ聞いてくれた」
そりゃあ聞くでしょうよ。
「犯人探しだ」
「何の?」
「何者かが、バド部のエースのラケットを折った」
それは……かなり重大な問題だ。
バドミントンのラケットって細いし、すぐ折れそうな気はするけど……
「キャプテンは部内に犯人がいると思っているようだ。マネージャーはあまりその説を信じたくないようだが」
「え……でも、さっきは私からもお願いするって」
あの言い方は、彼女も部内に犯人がいると思っているようだった。
「キャプテンがどうにもおさまらないから、彼女もああ言うしかなかったんだろう。俺も言ったんだ。キャプテンとして、部員達を疑うのはどうかと思うって」
あくまでの人としての意見を先輩は言ったわけだ。
「そしたらあいつ、何て言ったと思う。犯人が自ら名乗り出てくれていれば、今頃俺はここにいないって」
そう言って、先輩は再び大きなため息をついた。
「要するに先輩は、この依頼を受けたくないんですよね」
「できれば何もかも受けたくねぇよ」
それでも受けてしまうのは、この人の性なのだろう。
意外と断れないタイプなのね。
「いくつかのパターンが、この件の場合考えられる。一つ目は、部内に犯人がいて、故意にラケットを折ってしまった。二つ目は、これも部内に犯人がいて、故意ではなく誤って折ってしまった。で、三つ目外部に犯人がいるという可能性。俺が危惧しているのは、一つ目と二つ目だったときだ」
犯人が部員だったとき。
どちらも、部の雰囲気が悪くなる可能性大ね。
「先輩……まさか、自分が解決することによって、部の雰囲気を悪くなることを恐れているんですか……? だとしたら私、ガッカリです」
「お前は俺を冷血人間だと思っているのか? さすがの俺も申し訳ないという感情くらい抱くぞ」
先輩は顔をしかめた。
「でも、このまま犯人がわからず状態なのも、部の空気を悪くさせるだけですよ」
「そのくらいわかってらぁ」
「だったら悪者になってやりましょうよ。先輩一人だけじゃない。私もいます」
「……うるせぇな。わかったよ……」
仕方なさそうに、先輩は立ち上がった。



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