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個別記事の管理2016-12-17 (Sat)


翌日の昼休み、私は先輩と一緒に食堂にいた。
私たちの向かいには、折れたラケットの持ち主であるバド部のエース、佐渡さん。
昨日、羽山さんからの話を聞いた後、佐渡さん本人にも話を聞いてみようということになった。
ただし、キャプテンに見つかると何を言われるかわからないので、放課後ではなく昼休みにしたのだ。
食堂も見つかるリスクはもちろんあるけど。
「そうか……俺のせいでこんなに大騒ぎになっているとは……」
「キャプテン一人が騒いでいるだけだがな」
佐渡さんは少し落ち込んでいるようだった。
「被害者の立場として聞きたい。お前がエースであることで、疎まれたり妬まれたりされそうか」
佐渡さんは質問を受け、困った様子だった。
「それは先輩後輩も含めてか? はっきり言って、全くわからないんだけど……」
「じゃあ、友だちとかは」
「嫌われていると感じたことはない……と思う……」
ラケットを折られるほど憎まれている相手に心当たりはなさそうだ。
そんな人、なかなかいねいよね。
「でも、どうなんだろう。俺は気づかないうちに、誰かを怒らせてしまっていたのかも……」
……この人……出来たイケメンだな……
良いのは顔だけじゃないらしい。
その後、彼と少しだけ話をして、今回はそれで終了した。
「有益な情報はなかったですね」
「こんなもんだろう。そう簡単に見つかるとは思っていない」
あっさりとした様子で、先輩は立ち上がった。
「俺はもう行くぞ。次、移動教室だから」
「あ……はい」
先輩は、さっさと私の前から去って行った。
「野沢」
そしてすぐ後に、誰かが私の名を呼んだ。
「城山君」
一緒に補習を受けた、クラスメイトだった。
彼は私の前に座る。
「今の、二年の霧谷先輩だろ。先生の弟の」
「うん。そうだよ」
やっぱりあの人は、有名らしい。
「何でお前が一緒にいるんだ? もしかして、お前も探偵してんの?」
「えっと……まぁ……そんな感じ……かな?」
先輩が私を名探偵同好会の一員と認めてくれているかどうかはわからない。
今のところ、追い出されたりはしていないし……
「へぇ! なぁなぁ、さっきのも所謂事情聴取ってやつ? どんな事件が起きているんだ?」
「それは……ちょっと……」
守秘義務、という言葉が脳裏に浮かぶ。
勝手に無関係な人に話してもいいものなのだろうか。
いや、いいはずがない。
「えー、いいじゃん。教えてくれよ」
私が言い淀んでいると、彼は子どもみたいに駄々をこねた。
「ダメだよ! きっと先輩に怒られちゃう」
「先輩ねぇ……。お前どうやってあんな気難しい人とやっていけてんだ? もしかして、つきあってる?」
「んなっ……」
なぜそういうことになるのか。
「そ、そんなわけないでしょ」
きっと、あの人のファンは沢山いるはずだ。
初めて出会ったときだって、女子に告白されていた。
私のような平凡な人間が、釣り合うわけもない。
それ以前に、好きでも何でもないしね!?
「変なこと言わないでよ。ほ、ほら。時間だし教室に戻ろう」
私は無理矢理話を終わらせて、城山君と共に教室へと向かった。
普通にお喋りをしながら、教室の扉を開けた瞬間だった。
「誰だよ! こんなことをしたのは!」
そんな怒鳴り声が、響き渡った。
教室が静寂に包まれている。
怒鳴ったのは、友人の野中実梨だ。
顔を真っ赤にして、怒っている。
何が原因なのかは、すぐにわかった。
もう一人の友人、西岡真奈美の机が、泥だらけになっていたからだ。
そして本人は、そんな汚れた机を呆然と見つめていた。



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