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個別記事の管理2016-12-25 (Sun)
俺の名は井瀬屋惣一。
ごく普通の男子高校生だ。
髪を染めたりピアスをしたりしているが、至って普通だ。
「どうした、ヤンキー。いきなり自己紹介なんぞ始めて」
「うるせぇ! 俺のモノローグに語りかけるな! 初めての人でもわかるように紹介してんだよ! 次邪魔したら、そのポニーテール引っこ抜くぞ!」
えー、おほん。
邪魔が入ったが、話を続けよう。
そんな俺だが、一応二人の友人がいる。
俺の隣でずっとスマホをいじっている、地味眼鏡男子の如月凜王。
眼鏡は伊達だ。
そして、先程モノローグに話しかけてきたポニーテールの朝霞眞姫。
こいつを友人と呼ぶのはものすごく癪だ。
俺たちは今、このくそ寒い中、暗がりの道を歩いている。
時刻は23時過ぎ。日付は12月24日。
クリスマスイブにしかも真夜中に何をやっているんだと、自分でも思う。
警察にでも見つかれば間違いなく補導される……
「大丈夫だ。そのときは逃げればいい」
よくねぇよ。
簡単に言ってくれるな。
そんで、お前も俺の脳内に語りかけるんじゃねぇ。
「ああ……俺はこれ以上罪を重ねたくない……」
「普段夜中ほっつき歩いているヤンキーが何を今更」
「うるさい、ポニーテール」
高校生がこんな夜中に何をしているのか、説明しておこう。
説明……と言っても、俺もよくわかっていないのだが。
凜王が「サンタの知り合いがいる」とかわけのわからない、不思議ちゃん発言をしたため……というのが名目上の説明になるのか。
そのサンタの知り合いを手伝う為に、こうしてかり出されているわけだ。
サンタを手伝うといえば……プレゼントを配ることになるのか……?
サンタなんぞ……この世にいるのか……
それに、サンタって。
「凜王、俺、日本語しか喋れないんだけど、大丈夫か?」
「は? 俺も日本語しか話せないが」
「マジか。お前、サンタとどうやって意思疎通を図っているんだ?」
何言ってるんだ、こいつ。という顔をされてしまった。
「いや、ほら! サンタってあれだろ。スコットランドから来るんだろ」
「フィンランドだ、馬鹿者。どこから出てきた」
すかさず眞姫のツッコミが入った。
どっちでもいいだろ、もう。
「貴様、学校一のならず者の異名を持ちながら、サンタはフィンランドから来るなどファンタジーな脳みそをしているんだな」
「そんな異名初めて聞いたんですけど」
誰がいつ言ってたんだよ……
「惣一、何を勘違いしているのか知らんが、別にフィランド人でもスコットランド人でもないぞ」
「え? マジで?」
少しホッとする。
「ああ……。俺たちと同じ、高校生だ」
「は?」
いつの間にか、俺たちは公園にたどり着いていた。
中心に立つ、レトロな電灯の下に、俺たちと同じように三人の男子高校生がいた。
一人だけ、やけに可愛らしい顔つきの背の低いやつがいるが……
「こ、こんばんはっ。今年も手伝いに来てくださってありがとうございます!」
そいつが、小動物のように体を震わせながら言った。
「ふむ。今年は人が増えているな。まずは自己紹介からだな!」
女子にモテそうな顔をしているやつが、張り切った様子で言った。
あ、この人のテンション、俺ついていけなさそう。
「俺は壱岐佳一! 三年だ! 将来は名探偵として名を馳せる予定なので、ぜひ覚えておいてくれたまえ!」
た、探偵?
それって、俺たちの天敵なのでは……
「お前……夜中によくそのテンションでいられるよな……。俺は弐方慎二郎。こいつと同期。よろしく」
一番背の高いやつが、うんざりとした表情で言った。
この人は何だか同じ匂いがする。
「僕は大参三太と言います。一年です」
小動物の名前を聞いて、「あ」と声をあげた。
サンタって……
「そうです。皆さん、僕のワガママにつきあってくださってるのです」
こいつが首謀者か!
「三太という名を背負った者の宿命なんです、これは……!」
何を言っているのかよくわからんが、こいつが「サンタ」なんだな。
「謎が解けたところで、君たちの名もぜひ教えてくれたまえ」
「あ……えっと……井瀬屋惣一……」
「朝霞眞姫だ」
「うむ。わずかな時間だが、よろしく頼む!」
呼び捨てでも構わないだろうか。
佳一は満足そうに頷いた。
「さぁ、それでは皆さん! 子ども達にプレゼントを配りに行きましょう!」
子ども達?
プレゼント?
どうやって?
俺と眞姫には何が何やらだ。
彼らの会話についていけずにいると、それまで私服だった三太の服が、赤いサンタクロースの衣装へと一瞬にて変わった。
え? 何だ、今の?
夢でも見てんのか、俺は。
「トナカイさんっ今年もお願いしますっ!」
三太のそのかけ声と共に、ぼわっと煙があがった。
げほげほと、俺たちは激しくむせる。
「バカ、お前! もっとやり方ってもんがあるだろ!」
「げほげほ……すみません、慎二郎先輩……」
視界がクリアになったところで、俺は目を疑った。
そこに、絵本に出てきそうなトナカイとプレゼントが積まれた大きなソリがあったからだ。
「おい……これは本当に現実か……?」
隣にいる眞姫に尋ねた。
「試しにつねってやろうか」
「いや……いいわ……」
お前に頼んだらつねるどころじゃなくなりそうだからな。
「今年もお見事だよ! 大参君!」
「えへへ……これが僕の全力なんで……」
三太は肩息をしている。
「その全力、授業でも発揮すればいいのに……」
慎二郎だけが冷めた目で二人を見ている。
「おいおい、凜王! お前の知り合いとやらは一体何をしたんだ!? 何もないところからトナカイとソリを出したぞ!?」
「魔法だよ、魔法」
聞こえていたらしく、慎二郎が答えた。
俺の耳がおかしくなければ今、魔法と聞こえたが……?
「お前らとは住む次元が違うからな」
「いや……次元って……」
さっきから俺のモノローグに話しかけたり、次元がどうとか言うのやめてくんない!?
世界観守ろうよ!
世界観!
「そういうことだ。やつらは魔法が使える。残念ながら俺たちには使えないが」
「使えるかどうかまで教えろとは言ってないだろ」
使えたらいいなと思っていたのがバレたらしい。
「じゃあ、皆さん。乗ってください!」
言われるがままに、俺たちはプレゼントが積まれている荷台に乗った。
「あと、これ被ってくださいね」
三太に赤い帽子を手渡される。
自分はばっちりサンタの格好をしているくせに、俺らは雑だな……
「行っきますよー!」
あとは想像の通り、トナカイが走り出し、俺たちを乗せたソリが宙に浮いた。
俺はもう何も言うまい。
街の景色をボーッと見下ろしていると、隣にいる凜王がプレゼントを地上に向かって次々と投げ始めた。
驚愕の目で俺は、隣の友人を見る。
「凜王……?」
眞姫も驚いているようだった。
「君たちも早く投げるんだ」
佳一に注意されたので、言われるがままに俺たちもプレゼントを投げ始めた。
「……これで子どものいる家に届くってか……?」
「考えるな」
早くも眞姫は無心になっているようだった。
「お前……どこであんなのと知り合ってきたんだよ……」
こっそりと、俺は凜王に尋ねた。
「ん? 知り合ったというか……慎二郎は同業者だからな」
「同業者?」
ということは……
俺は、無表情でプレゼントを放り投げている慎二郎を見る。
「でも、あの二人には秘密にしているらしい」
「そりゃそうだろ。探偵になるとか言ってるやついたぞ。何でそんなのと一緒にいるんだよ」
「俺がそこまで知るか」
何で鬱陶しがられるんだよ。
聞いただけじゃん。
「凜王、眞姫意外に知り合いがいるなんて聞いてないぞ」
「お前以外に知り合いくらいいるだろ。頼むから黙ってろ」
こいつはまた何に妬き始めたんだ。
面倒くさいな。
「諸君! 手が止まってるぞ!」
また、未来の名探偵に注意される。
へいへい。わかりましたよ。
プレゼント配ればいいんでしょ、配れば。
「こうやってみんなで協力して何かをするというのはいいものだな、慎ちゃん!」
「普段ぼっちみたいに聞こえるからやめろ」
佳一が楽しげに話しかけても、慎二郎の方は辛辣だ。
三太は呑気に歌を歌いながら、トナカイたちを操縦している。
「……なぁ、あんたらって、どういう関係なわけ? 部活?」
三太は一年だが、後の二人は三年だ。
同じ学校で、その組み合わせといえば部活しかあるまい。
「ああ、その通りだよ、井瀬屋君! 俺たちは共に学校の平和を守るべく……」
そこでなぜか、言葉が止まる。
そしてゆっくりと、慎二郎の方を見た。
「何だよ」
「……俺たちは何て名前で部として申請していたっけ?」
「……お前が勝手に署名して、勝手に提出したくせに俺が知ってるかよ」
結局、部活の名称は不明のままだった。
「でも、あんたら三年なんだろ。後輩一人になっちまうじゃねぇか」
すると、それまでクリスマスソングを歌っていた三太の体がビクッと震え、歌も止んだ。
二人の三年生も互いに顔を見合わせる。
「他に部員はいないのか?」
「……いないね。俺たちが卒業すれば、大参君一人になってしまう。うちの学校は最低三人部員がいないと、存続は認められない。仕方ないが、これで終わりだな」
「――いえ、絶対に存続させます!」
現実的な意見を述べる佳一に対し、三太がそう叫んだ。
「先輩が作ったんだから、絶対にっ……潰させません!」
「大参君……」
後輩の熱い思いに佳一は感動しているようだったが、慎二郎はまたため息をついている。
この人、すげぇ冷めてるよな……
「はいはい、そういうのは卒業式のときにでもやってちょーだい。今はさっさとプレゼントをだな……」
「慎二郎、安心しろ。これで最後だ」
彼の言葉を遮り、凜王がラスト一個のプレゼント箱を見せた。
ヒューと、慎二郎は口笛を吹いた。
「さすが、仕事ができるやつは違うね」
「このくらい何てことない」
褒められても一切嬉しそうにしないのが、この男である。
凜王はぽいっと最後の一つも投げた。
プレゼントはキラキラと光りながら、とある一件の家を目がけて落ちていった。
やれやれ……
やっと終わったか。
「皆さん! お疲れ様でした! これで今年も子ども達に笑顔を届けられます!」
三太は嬉しそうに微笑んだ。
「それでは帰りましょう! しっかりと捕まっていてくださいね!」
それはどういう――……
と、聞く前に体がふわっと浮くような感触がした。
ソリが、ジェットコースターのごとく急降下を始めたのだ。
「ぎゃあああああああーっ!?」
叫ぶのと同時に、俺の意識は飛んだ。

気がつくと、見覚えのあるような古びた天井が目に入ってきた。
「ゆ……夢……?」
ぼんやりとした頭で、俺はつぶやいた。
「さぁ、どうだろうな」
そんな声がして顔を動かすと、金色の瞳がこちらを見つめていた。
凜王だ。
「あのくらいで気を失うとは……情けない」
聞きたくなかったが、眞姫の声も聞こえてきた。
姿は見当たらない。
「こっちだ、こっち」
外から声がする。
冬だというのに開け放たれた窓の向こうにその姿が見えた。
隣の家から、呆れた顔で俺を見ている。
ということは、ここは。
凜王の家。
「あの三人は……?」
「帰った。やることはやったからな」
「……」
まだ信じられない。
空を飛んでプレゼントを配っただなんて。
「夜が明けたら、俺たちもクリスマスパーティーでもしようか」
「さんせーい」
凜王の提案に、眞姫が手を挙げる。
何だか覇気がない。
眠そうだ。
「惣一、お前はこのまま俺の家に泊まれ。布団くらいは出してやる」
「ああ……どうも……」
「それじゃあ、眞姫もそろそろ失礼する……眠くなってきた……」
「ああ、おやすみ」
窓の奥に眞姫は引っ込もうとする。
しかし、何か思い出したように「あ」と、声をあげた。
「メリークリスマス」


久々にこの三人を書きましたよっと。
書いてから思ったんですけど、さも昨年も共にクリスマスを過ごしたかのような書き方をしましたが、
この年の差だと不可能ですね!!!!
高校入ってから出会った三人ですし!
佳一と慎ちゃんだけならまだしも!
やっちまったね!
ま、いいや!
久々すぎてどんな三人だったかすっかり忘れてしまっておりましたが……
何で私の書く慎ちゃんはこんなにドライなのかしら!
いやだわ、もう!
ともあれメリークリスマス!!!!!
リンク貼ったりなんやかんやはまた後でします!
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Theme : 自作小説 * Genre : 小説・文学 * Category : その他小説
* Comment : (2) * Trackback : (0) |

* by Nicola
メリクリです。
三人組でそうかしんちゃんたちも三人組だったと机ズダンしました。
ひえ~~ひさびさにしんちゃんたちが見れて嬉しいです。

次元を超えてますね。惣一ちゃんのツッコミもキレッキレやし楽しいクリスマスでした。
まさか三人組同士でプレゼント配っているとは。
しかも雑……いやでも魔法できっとうまい具合に……なってるんですよねきっと。

眞姫ちゃん可愛い可愛い。
この眞姫ちゃんはなんなんでしょうね、まきまき。
ポニテ引っこ抜かれないよう警戒しながらこれからもあの調子でマッキーしてほしいです。マキマキマッキー。

Re: タイトルなし * by ホタテ
> Nicolaさんへ

あけおめです←

すみません、コメントいただいていたのに。
更新した翌日にご存知の通り寝込みました。

この間忍者を久々に書いてくださったので、私も久々シリーズをやりたい……と思いながら三人を引っ張り出しました。
三太といえばサンタネタは絶対はずせないですよね。
ずっと思ってましたw
なんかこう、もっと絡ませたかったですけど、私の体力が……ね。
またいつか次元を越えていただきたい。
そして三人をまた書きたい。

いつも眞姫のことを可愛い可愛いと言ってくださって有り難いです。
私には全然可愛く感じないし、可愛くしてるつもりは全くないですw
とにかくできる限りうざくしていきたいです!
褒めてもらってるのに何を言ってるのかしら、私は。

コメントありがとうございました!
お返事遅くなって本当に申し訳ないです。

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