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個別記事の管理2017-01-10 (Tue)
episode16

この若いお兄さんが?
怪人だって?
リディアさんやエドガー・シモンズと同じ年齢くらいの人だ。
「ウェンディ、どうしてお前が」
「ケーサツの前で本名を言わないでくれるかねぇ」
やれやれと、男はため息をつく。
「お前が怪人なんて、馬鹿げた真似を……!?」
エドガー・シモンズも村人達も、彼のことを知っているようだ。
ということは、この怪人もトネール村出身ってこと……?
「馬鹿げた真似? それは俺じゃなくてそいつらに言えよ」
そいつら。
それは、村人達のことを指していた。
「……どういうことだ?」
「怪人を産み出したのは、そいつらだよ。親も兄弟もいない、天涯孤独の俺に、全ての罪をなすりつけた裏切り者達が」
時計の上から彼らを見下ろす男の目は、激しい憎しみに包まれていた。
一方で、村人達は彼から目をそらしている。
「後は署で聞くわ。そこを降りなさい」
銃口を向けている女刑事さんが、彼に忠告をした。
が、男は笑うだけで動こうとしなかった。
そのときだった。
電気が全て落ちたのは。
突然の暗闇に、人々は慌てふためくが、あたしたちのような人間は目が慣れている。
「みんな、落ち着いて! 一カ所に集まって!」
あたしは村人達とエドガー・シモンズを固めて、扉の近くまで移動させた。
「扉が……開かない……!?」
誰かがドアノブをがちゃがちゃしながら言った。
「そんなはずは……! 中からも鍵は開けられるんだぞ、この扉は!
そう言って、エドガー・シモンズも試したが、やっぱり開かなかった。
閉じ込められたね。
「こちら、ジェシカ・ローズ! 1階のホールに現れたわ! 至急応援をっ……」
無線に向かって女刑事さんが応援を呼ぼうとするが、それも途中で途切れてしまった。
パタリと、その場に倒れたからだ。
彼女が持っていた無線機もぐしゃりと、何者かによって踏みつぶされた。
あたしはすぐさま隠し持っていた短刀を構え、謎の人物に迫った。
しかし、いとも簡単に手首を捕まれ、あたしはねじ伏せられてしまった。
ふわりと、何だかいい香りがした。
「ふふ。私に勝てると思った……?」
あたしの上に乗っかっているのは、女の子だった。
ヒラヒラのドレスを着ており、髪も綺麗にカールされている。
垂れ目の、可愛い女の子。
そんな子に、押さえ込まれてしまうなんて。
「あなたは少し、このままでいてね」
ジタバタともがいても、びくともしない。
くそっ……
何なんだよ、こいつ!
「大丈夫、安心して……あの刑事さんは、気絶しているだけだから」
ふふ。と、その子はまた笑った。
くっそー!
「おい、何のつもりだ」
一方、お兄さんは怪人に銃を向けていた。
「何のつもりも……決まってんだろ。あんたにはわかってんじゃねぇの、名探偵さん。俺はそいつらに復讐したいだけだ」
怪人は鼻で笑う。
「ついでに、あんたらも死んでくれればなって思っている」
寒気がするような笑みを浮かべた瞬間、ブロッサムが「よいしょー!」と、叫びながら、素手で時計を破壊した。
「おっと……危ねぇな」
バランスを取りながら、怪人は床に着地する。
そのタイミングを見計らって、ブロッサムが間髪を容れずに殴りかかった。
無邪気な笑顔を見せる普段の彼とは打って変わって、無表情で狂気すら感じる。
拳が振り下ろされたが、怪人にそれは届かなかった。
怪人の方が先に、ブロッサムのお腹に拳を入れたからだ。
「――甘い」
ブロッサムの体は並べられたテーブルに突っ込み、なぎ倒していった。
「ブロッサム!」
身をよじりながら、あたしは彼の名を呼ぶ。
「だ……大丈夫だよ、ソフィア様……イテテテ……」
苦痛に顔をゆがませながらも、ブロッサムは返事をしてくれたので安心する。
「何だっけ? そうじ屋だったか? 面白いじゃん。もっと俺を楽しませてくれよ!」
こいつ……あたしたちのことを知っている!?
「名探偵さんは何で普通にここに立ってんの? もしかしてこいつらとつるんでんの? それって立場的に大丈夫?」
「うるせぇ。余計なお世話だってぇの!」
発砲する!
と、あたしはもちろん怪人も思っただろう。
が、身構えた好きを狙って、背後からイーサンが銃を振りかざしていた。
振り向きざまにイーサンの腕をつかみ、彼の体を思いっきり投げ飛ばした。
そんなっ……イーサンまで!
「チッ……せっかくの連携プレイだっつーのに駄目か」
「頭脳派の名探偵さんには、こういうのは向いてないんじゃないの?」
「だからうるせぇつってんだよ!」
一般人がいるから、安易に発砲はできない。
お兄さんは、間合いを詰め、蹴りを入れるが腕を盾にして止められてしまう。
そのまま足を捕まれ、他の二人のように投げ飛ばされそうになるが、体をひねり力技で怪人を跪かせた。
形勢逆転! と思ったのも束の間、無理な態勢だった為、それを逆手に取られ、蹴り返されてしまった。
咳き込みながら倒されたお兄さんに、怪人は自分の持っている銃を取り出した。
そして、お兄さんに狙いを定める。
まずい……!
ブロッサムもイーサンも動くが間に合わない!
「逃げて――!」
あたしの叫びも虚しく、引き金が引かれた。


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