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個別記事の管理2017-02-14 (Tue)


「ファンタスティック・マジカルランド?」
「ああ。二駅ほど向こうにあるだろう。遊園地みたいなのが」
時は遡り、数日ほど前。
凜王は自分の部屋の窓から顔出し、隣の家の住人と話していた。
隣の住人──、眞姫の部屋はら凜王より少し上の位置にあった。
「行きたいのか?」
「まさか。人ごみはごめんだ。……そうじゃなくてだな」
「ん?」
凜王は首を傾げた。
「同じクラスの女子が、ここの創設者の孫らしいんだ」
ふぅん。と、凜王は興味なさげな声を上げた。
眞姫がなぜこの話をしてくるのか、意図がわからなかった。
「ファンタスティック・マジカルランドは、彼女のおじいさんが若い頃に訪れた、外国の遊園地に憧れて造られたそうだ。経営学を学んでいた友人の手を借り、二人で遊園地をオープンさせたのが、ファンタスティック・マジカルランドの始まりだ」
今度は、へぇ。と、声を上げる。
「遊園地の全ての所有権は彼女の一族にあるそうだが、つい先日、創始者である彼女のおじいさんが他界した。順当にいけば、息子であ彼女の父親がの所有権を得るのだが、彼女の父親も突如病に倒れてしまったそうだ」
大変だな。
凜王は適当に相槌を打つ。
聞いていないわけではない。
「跡継ぎは彼女しかいなくなるわけだが、荷が重くなるのではと、かつてランドを共に立ち上げた友人が声を上げた」
「何となく話は読めた。ランドの所有権争いか」
その通りだ。
と、眞姫は満足気に頷いた。
「ランドの実際の経営は、その友人である人物が行っている。しかも彼は高齢だがまだ存命だ。所有権を得ることができればもっと、自由にランドを動かせるだろう」
「……まぁ大体話はわかったが、どうしてお前がそんな話を知っている」
そして、なぜ自分に聞かせ始めたのかも気になる。
「久々に学校へ行ったら、知らぬ間に席が変わっていてだな。彼女と隣の席になっていたんだ。別に興味もなかったが、彼女の方からそんな話を始めたんだ。どうやら彼女は悩んでいるらしい。所有権を失いたくないそうだ。まだ子供の自分には無理だとわかっていても、彼女はランドを守っていきたいと言っていた」
「……だから、なぜそのクラスメイトは、お前にそんな身の上話をするんだ、、仲、いいのか?」
質問の答えになっていなかったので、もう一度問う。
「そういう人が同じクラスにいることすら知らなかった。そういやどうしてだろうな。気が向いたときにしか学校へ行かないのに、やたらと女子ばかりが話しかけてきてだな……。やはり話しかけやすいのだろうか?」
「……知るか」
むしろ逆だろ。
という言葉は飲みこんでおいた。
「そんなことより凜王! 何か心惹かれるものはないか!?」
眞姫の目が輝きを帯びている。
「何がだ。俺に遊園地を盗めとでも言うのか」
「ああ。いい案だとは思わないか!?」
「そうだな」
素っ気なくそう言って、凜王はピシャリと窓を閉めたのだった。

「ここへ来たということは、凜王はその気になったということだな。ふっふっふっ……」
不気味に笑う眞姫の横で、相変わらず顔色が悪いままのクローバーが、尋ねた。
「その回想に出てくる凜王、やけに機嫌悪くないか」
「言われてみればそうだったな……彼は何を怒っていたのだろう?」
「俺様が聞いてんだよ」
そう言って、クローバーはたた「気持ち悪い……」と、口元をおさえた。
「そうだ、猫。聞きたかったのだが、これまで貴様は凜王が盗んできた品々を喰らうと耳にしている。そこから人々の持つ感情で腹を満たすとな。今回、もしこのランドが標的となったとすると、貴様は何を喰らう?」
「んん……今この状況で食い物の話は……」
今にも吐き出しそうなクローバーを見て、眞姫は舌打ちをした。
「早く戻ってこないかな……凜王……」
そして、退屈そうに人々の流れを眺めるのだった。


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Theme : 自作小説 * Genre : 小説・文学 * Category : 黒猫は今日も偽物を喰らう
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